Preface
動植物油脂 + 水酸化ナトリウム + 精製水 → 脂肪酸ナトリウム(石鹸) + グリセリン= 純石鹸
石鹸をつくるには水酸化ナトリウム(NAOH)を使って固形ソープを作ります。
リキッドソープを作るには水酸化カリウム(KOH)を使って作ります。薬局屋さんで購入できます。
どちらも危険なアルカリ製品です。取り扱うときは気を付けてくださいね。
石鹸を作るためのお鍋はステンレスかホーローのお鍋をお使い下さい。
アルミのお鍋でアルカリ製品を使うと化学反応を起こし、アルミが溶けてきます。
アルカリ製品が手に付かないようにゴム手袋を使って、気を付けて取り扱って下さいね。
手に付いた場合はすぐに水で洗い流してください。洗い流さないでいるとピリピリしてきます。
目の中に入らないようにゴーグルなどを着用します。
NAOH と KOH は水分が付くと熱を持ちますので保存にも気をつけてください。
空気と触れないようにしっかりとフタをして、液体の近くには保存しないようにしておきましょう。
万が一、お子様がアルカリの水溶液を口にしてしまった場合はすぐにミルクを飲ませて、
すぐに医師と相談して下さい。猫や犬を養っている方も要注意ね!
準備するもの
- ステンレス、ホーロー、またはガラス製のお鍋 *アルミは使用できません。
- 杓文字やゴムベラ *ステンレスやプラスティックの大きいスプーンなど、かき混ぜるもの
- 温度計
- 計量カップ、計量器や秤
- *ゴム手袋とゴーグル - 安全のため!
- プラスティックのタッパーなど石鹸の形を作るためのモールド
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基本的な石鹸の作り方
1) 水酸化ナトリウムと精製水を計量し、アルカリを水に入れて溶かし、温度が40-50℃まで冷します。
2) 鍋にベースオイル(、ビーズワックまたはステアリン酸)を入れ温度を45-55℃にします。
3) ベースオイルの中に1)のアルカリ溶解液を少しずづ混ぜながら入れます。
水酸化ナトリウムとベースオイルの温度は出来るだけ同じ温度にして下さい。
4) 3)が液体から濃厚なポタージュスープ(ゴムベラなどでかき混ぜた時に痕跡が残る状態)になるまで定期的に混ぜます。
混合液の表面に線が描けたり、掬上げて戻すと暫く山ができたり、線が出るぐらい生地が重くなってきた状態をトレース(またはトレイル)と言います。
5) 4)に、鹸化させずに石けんに余分な油脂を残してマイルドな石けんを作るために、
スーパーファットとしてビタミンEオイルやアボカドオイルなどの好きなスキンケアオイルを入れます。
また、フレグランスイル、着色料、ミルクパウダー、クレイなどの材料も5)で入れます。
6) 5)をモールドやプラスティックのタッパーなどに流し込みます。
箱にサランラップを敷いて石鹸の型にすることもできます。漏れないようにして下さいね。
7) 温度が急に下がらないようにタオルケットなどで包んで8-24時間待ちます。
夏場の暑い時期など石けん生地を同温に保てる場合は7)の作業は不要。
8) 翌日、または石鹸が包丁で切りやすい硬さになれば好きなサイズにカットして4週間ほど熟成するまで待ちます。
石鹸が柔らかい場合は包丁で切れる硬さになるまで何日でも待ってからカットして下さい。
4週間経てば出来上がりです。石鹸の表面に出てくる白いパウダーはソーダ灰/ソーダアシュ(炭酸塩)です。
ビーズワックスを入れない時はソーダアシュが出てくるときがあります。
ソーダ灰が出てきた石けんは痒みや刺激になる事がありますのでギフト用には向きません。
市販の石けんには、凝固剤としてこのソーダ灰を添加している場合があり、これが刺激となって市販の石けんが使えない方がいます。
ギフト用、お肌の弱い方は、ソーダ灰を削ぎ落とすか、または洗い流したほうがいいでしょう。
炭酸塩の水溶液を作って家庭用アルカリ剤のようなキッチンのお掃除などに使えます。
グレープフルーツシードエクストラクト(GSE)を入れたい方へ
グレープフルーツシードエクストラクト(GSE)は通常ミルクや生の果汁を石鹸に入れるレシピに使われていますが、
ポリフェンノールを多くむため、保存料以外にヘアケアやスキンケアの有効成分としてて固形石鹸やシャンプーに使われています。
米国ではベビーシャンプーやフェイスソープにGSE入りソープが販売されていますのでお試し下さい。
シャンプーバーに加えるととてもよい石鹸になります。
ROEは石鹸、化粧品の酸化防止に役立ちますので、酸化しやすいオイルの割合が多いときに配合するといいと思います。
GSEはクリームや化粧水には効果があり、実際に使っておられる方は実感していると思います。
アメリカの石鹸のレシピでは防腐剤にGSEが記載されている事をよく見かけますが、カビ防止になると思います。
酸化防止剤ではないので、酸化には役立ちませんが、石けんを乾燥させている時に、カビが生えたというメールもいただきましたので、
ミルクや生の果汁を加えたカビの生えやすいレシピの場合は、GSEを使ってみるといいかもしれません。
日本は湿気が多いので、オリーブオイル100%や果汁を加えた石けんの場合はGSEをいれて作ってみるのもいいと思います。
また、鹸化を促進させるため、混ぜるのに時間がかかるレシピに少し加えてみるのもいいかもしれません。
GSEを使った石鹸の作り方
1) 水酸化ナトリウムを精製水に入れて溶かし、温度が40-50℃まで冷します。
2) 鍋にベースオイル(、ビーズワックまたはステアリン酸)を入れ温度を45-55℃にします。
3) ベースオイルの中に1)のアルカリ溶解液を少しずづ混ぜながら入れます。
4) 3)が液体から濃厚なポタージュスープ(ゴムベラで線が描けて混合液の表面に線の跡が残る状態)になるまで定期的に混ぜます。
5) 4)にスキンケアオイル、フレグランスイル、GSEを入れます。
GSEは100gのベースオイルに対して1g加えてください。
450gに小さじ1杯程度を加えて作られていることが多いようです。
6) 5)をモールドやプラスティックのタッパーなどに流し込みます。
7) 温度が急に下がらないようにタオルケットなどで包んで8-24時間待ちます。
8) 翌日、または石鹸が包丁で切りやすい硬さになれば好きなサイズにカットして4週間ほど熟成するまで待ちます。
4週間経てば出来上がりです。
ROEを使った石鹸の作り方
1) 水酸化ナトリウムを精製水に入れて溶かし、温度が40-50℃まで冷します。
2) 鍋にベースオイル、ROEを入れて温度を45-55℃にします。
ROEは1kgのベースオイルに対して1.5g程加えるようですが、
販売しているお店で多少異なりますので、確認してからご使用下さい。
3) ベースオイルの中に1)のアルカリ溶解液を少しずづ混ぜながら入れます。
4) 3)が液体から濃厚なポタージュスープ(ゴムベラで線が描ける状態)になるまで定期的に混ぜます。
5) 4)に スキンケアオイル/キャリアオイル、フレグランスイル、着色料を入れま
6) 5)をモールドやプラスティックのタッパーなどに流し込みます。
7) 温度が急に下がらないようにタオルケットなどで包んで8-24時間待ちます。
8) 翌日、または石鹸が包丁で切りやすい硬さになれば好きなサイズにカットして4週間ほど熟成するまで待ちます。
4週間経てば出来上がりです。
Junko's 石鹸の作り方
香料を使ってみたいけど敏感肌だから、、という方は、一度私の方法で作ってみて下さい。
我流ですが、レシピに必要なフレグランスオイルの量をベースオイルに混ぜて作ってみて下さい。
実は、、、私はずっとこの方法で作っています。
一度もこの方法で作られているレシピを見たことがないので、おすすめできないのかもしれませんが、
個人的に香料がアルカリと混ざって鹸化され、香料が石鹸になるのと同じなのでこの方法はいいのではないか、、、と思っています。
但し**エッセンシャルオイルに関しては柑橘系は使わない方がいいかもしれません。
オイルとアルカリの温度は同じ温度で合わせる事が大切ですが、混ぜると温度があがったりして何をどの温度で計ったらいいのかと悩んだ事はありませんか?
ピッタリ同じ温度に、、、と神経質になるよりは、温度の設定はアルカリ水溶液40-50℃、オイルは50-60℃ぐらいに思ってどちらも50度にするようなつもりで作るといいと思います。
上記の温度設定はいつも私が使っている物です。アルカリの温度が低い方がいい石鹸が出来ます。
1) 水酸化ナトリウムを精製水に入れて溶かし、温度が40-50℃まで冷します。
2) 鍋にベースオイルとフレグランスオイルを入れて温度が50-60℃にします。
3) ベースオイルの中に1)のアルカリ溶解液を少しずづ混ぜながら入れます。
4) 3)が液体から濃厚なポタージュスープ(ゴムベラで線が描ける状態)になるまで定期的に混ぜます。
5) 4)に40-50℃にアボカドオイルなどのお好きなスキンケアオイルを入れます。
6) 5)をモールドやプラスティックのタッパーなどに流し込みます。
7) 温度が急に下がらないようにタオルケットなどで包んで8-24時間待ちます。
8) 翌日、または石鹸が包丁で切りやすい硬さになれば好きなサイズにカットして4週間ほど熟成するまで待ちます。
Junko's ミルクソープの作り方
1) 水酸化ナトリウムをレシピの1/2(-2/3)の精製水に入れて溶かし、温度が40-50℃まで冷します。
2) 鍋にベースオイルとROE(ローズマリーオイルエクストラクト)を入れて温度が45-55℃にします。
3) ベースオイルの中に1)のアルカリ溶解液を少しずづ混ぜながら入れます。
4) 3)が液体から濃厚なポタージュスープ(ゴムベラで線が描ける状態)になるまで定期的に混ぜます。
5) 4)に40-50℃にレシピの1/2(-1/3)の温めた牛乳、ゴートミルク(ヤギのミルク)、バターミルクや
ホイップクリームなど選んだミルクを入れます。脂肪分の多いミルクはクリーミーな石鹸になります。
6) 5)をモールドやプラスティックのタッパーなどに流し込みます。
7) 温度が急に下がらないようにタオルケットなどで包んで8-24時間待ちます。
8) 翌日、または石鹸が包丁で切りやすい硬さになれば好きなサイズにカットして4週間ほど熟成するまで待ちます。
4週間経てば出来上がりです。精製水のかわりに全部ミルクで作ると硫黄臭くなります。
生のミルクのかわりにミルクパウダーをに加える方法もあります。同じ5)で入れて下さい。
精製水以外は使えないの?
石鹸作りには不純物が少ない水を使う方がよい物が作れます。
出来るだけ精製水、蒸留水を使うほうがいいと思いますが、ミネラルウォーターでも構いません。
天然水、湧き水が手に入る方はぜひ、天然水を使って作って下さい。
水道水は化学薬品で浄化されており薬品のイオン分子も含まれています。
住んでいる地域の水道水でかなりことなりますが、化学反応で作る純石鹸ですから、
とくに初心者の方で敏感肌や赤ちゃん用の為のボディ用石鹸を作る場合、なるべく水道水で作らないほうがいいかもしれません。
洗濯石鹸を作る場合は水道水で十分だと思います。
良い石鹸を作るためのポイント
鹸化するための温度
石鹸を作るために設定する温度は人によって様々で30-60℃の間で作られています。
ビーズワックスを使う場合は45-60℃の間で設定して下さい。温度が低いと溶けたビーズワックスが再びかたまってきます。
初めて石鹸を作られる方は高温で作られるほうが無難です。手間取ったりして時間がかかった場合、高温設定で作っていれば温度が多少下がっても大丈夫です。
低温で設定するほうがマイルドな石鹸になるいう意見もあり、石鹸作りに慣れた方は低温で一度作ってみて見て下さい。
アルカリとオイルを混ぜる温度
出来るだけ同じ温度で合わせるようにして下さい。
私の経験ではアルカリの温度が少し低いほうがよい石鹸が作れると思います。
温度の開きが大きすぎると混ぜた痕跡が残る状態までに時間がかかったり、
よい石鹸にならない場合が多いため、出来るだけ同じ温度で混ぜるようにして下さい。
ビーズワックス/蜜蝋
初めて石けんを作る場合、分離して失敗を防ぐために、おっちょこちょいな性格の方は450-500gのベースオイルに30gの蜜蝋をいれて作ってみて下さい。
28gの蜜蝋を追加するときは1.8gの水酸化ナトリウムが必要ですが、
中性に近づけるために水酸化ナトリウムを増やさずに使っても問題ありません。
ビーズワックスを入れると早く濃厚な液体になります。通常、15-20分でサラサラの混合物がドロっとなります。
ステアリン酸
ビーズワックス同様、450-500gのベースオイルに小さじ1-3杯加えて作ってみて下さい。
バターやココナッツオイルを使うときはステアリン酸小さじ1杯、オリーブオイルのように不飽和脂肪酸が多いオイルは小さじ3杯加えてみて下さい。
- 香料はフレグランスオイルや生の果汁を入れることもできますが、生の果汁を使うときは天然防腐剤を入れる方が多いようです。
他にも天然防腐剤があります。天然防腐剤でチェックして下さいね。
- スキンケアオイル/Fixedオイルは種類もたくさんあり、特徴も様々です。スキンケアオイルをチェックして下さい。
スキンタイプに合わせて石鹸を作りたい方は石鹸のレシピを見て下さいね。
洗顔用のフェイスソープ、ちょっと贅沢なお肌にとても優しいベイビーソープのレシピもあります。
このページは、HPを立ち上げた1999年に公開しましたので、古い情報も含まれています。ご了承願います。